今回は島原市にある株式会社INTERMEDIA様を訪問し、取締役/一級建築士の佐々木翔様にお話を伺いました。
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建築設計というクリエイティヴな仕事をされているのですが、今回訪問させていただいた場所は、島原城を近くに感じ、清らかな水が流れる武家屋敷地区の一角に佇む武家屋敷オフィスです。武家屋敷オフィスで取り組む仕事は、空気感の違いもあり、本社で取り組む仕事とはまた異なる発想、創造が生まれているとのこと。確かに実際に訪問した際も、リラックスして物事を考えられる空間であると感じました。
武家屋敷オフィスの2階は居住空間となっていて、県内外からインターンシップで集まる学生たちが宿泊できるようになっているそうです。これは佐々木さんの経験にもとづくところもあるようで、インターンシップを行う上で宿泊場所を考える必要がなくなり、学生の申し込みやすさに繋がるとのことでした。
地域の企業に対して、学生がインターンシップを希望する理由について尋ねると、業界そのものの変化も影響しているのではないかと言われていました。
今までは東京で学び経験を積んだ人たちが、地方でも仕事をするという動きが中心であったのに対し、最近は必ずしも東京で学んだことがそのまま地域で生かせるわけでもなく、むしろ地域で特有の経験を積むことで、自分のアイデンティティが成長していくことに気づき、その点に魅力を感じている人が増えているのではないか、とのことでした。
その場所に何を作るのかを考える際に、その土地の特性を掴み、その点を踏まえて構造を考えて設計していく。構造を意識して考えたうえで、素材やデザインなどを考えている。だからこそ地方の事務所に地元出身者ではない人が就職をしている現状があり、佐々木さん自身も経験から、地方でも仕事ができる、必ずしも都会でなくてもいい、と感じられたそうです。
インターンシップに関しては、大学等それぞれのカリキュラムの違いから、得意な分野や知識も当然異なっていることを理解しながらも、その点を意識することは特になく、実際の業務に携わってもらうことで経験を深めてもらうようにしているとのことでした。それぞれの得意分野を出しあいながら、それぞれが新たな知識を吸収し成長していく。学生にとって貴重な時間ですね。大学での学びを生かしながら、取り組んだ業務が実現・完成していくリアルを、インターンシップを通して感じてほしいものです。
長崎をはじめ地方は「人口減少」という問題を抱えていますが、建築に限らず様々な分野で地域のために頑張っている人が増えています。一見、ネガティブな要因かもしれませんが、同じ方向を向かざるを得ない状況の中で、それをもとに新たな世代が同じ課題解決に共感し取組む動きが広がっています。その点を考えるとこれからの地方は盛り上がっていくのではないかと言われていましたし、実際に共感できました。
最後にINTERMEDIAの今後について尋ねると、特有の経験を積むために持ち味や個性が異なる様々な人材が集まってくる中で、その個性が発揮できるような人材に成長できる環境を整備し、継続していくことができるように、今までの繋がりを大事にしながら一つひとつの業務をしっかりと取り組んでいきたい、とのことでした。
その地域の歴史や特性を生かしながらも施主様の要望に応える空間づくりを、今後も継続していくのでしょうね。勝手にワクワクしています。
ご多用なところ、お時間を頂き、ありがとうございました。
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